2016/10/19

犬運搬車

さちを自転車の籠に載せた始めは、一歳未満の頃に散歩から帰宅した時なにか手を空ける必要があって、どこにも行かないようにさちを抱き上げ、玄関前に停めてあった母の自転車の後部の大きい籠に載せた時だった。座ってじっとしていたので、案外これで遠くまで連れて行けると思いついた。

そのころの私の自転車は世田谷通り北側のユニークな看板で知られたあの店の二代目に頼んだもので普通のママチャリフレームにプラスティックの大きめの前籠が付いていた。しかし前輪にハブダイナモ、後輪に七速遊星変速ギアで回転抵抗が大きく、坂道を漕がずに降りるときどんな整備不良のママチャリにも追い越されるほどだった。おまけに前後泥除けはステンレス製だったし、サークル錠の閂は鉄板を丸めたやつでなく無垢鉄棒だった。これで退屈な帰り道は自転車に牽かせて楽して帰ろうとする犬を引っ張って用賀七条の坂を登るのは結構骨だったので軽い自転車を新調することにした。


初代さち運搬車、後方は小吉君


またしても乗車帰宅

オアシス動物病院のすぐ近くのサイクリングショップ ツバサに行って「10kgの荷物を前籠に積んで川っ縁の石の多い小道を走れるなるべく軽い自転車が欲しい、泥除けは必須で変速ギアは7速で足りる、予算は6万以上10万以内、もっと出せるけど自転車みたいにあっさり盗まれるものにそんなにカネをかけたくないから」と言ったら自転車旅行用のランドナーというタイプのフレームセットにストレートに近いハンドルをつけたものになった。

ランドナーと日本で呼ばれるタイプは戦後フランスで作られていて、日本で人気が出て国産されるようになったもので、その後日本から米国に輸出されて米国でも生産されるようになった。フランスでは既にそのタイプは廃れて作られておらず、ほぼ日本と米国でしか見られないタイプである。ホイールのサイズには幾種類かあるが、日本では旅先の自転車屋で補充がきくよう 650X38A というママチャリ用のタイヤが使える規格のものが最も多い。

店に在庫していた深谷産業の Davos Touring 603 というモデルで、もとは国産だったが一〜二年前に中国生産になったばかり。店主はこちらの体形を一瞥しただけでフレームもクランクも最適のサイズを選んだと後でわかった。クランクは普通に店においている中で最長のサイズだった。見積りは14万を超えたが、フレームに取り付けるボトルケージと空気入れは要らないと言って11万台におさめた。


新調まもないバイクとさち、野川公園で

その後 Topeak のボトルケージを付け、Brooks の革サドルに変えペダルも数回交換しハンドルを二回交換し、もう一回交換する予定。備品もサドルバッグを大小三個、うち一個は多摩川の兵庫島でさちを追いかけまわしている間に中味の工具類ごと盗まれた。

これで野川沿いに調布市の野川公園や小金井市内まで五〜六回、多摩川沿いには関戸橋までさちを連れて行った。本当はスリングやキャリーバッグに入れて小田急線で丹沢に行ったりしたかったが、そういう袋に入ることは猛烈に嫌がるので無理だった。


キャネルの飼い主さんが陸橋付近で撮ってくれた写真

0 件のコメント:

コメントを投稿