2016/10/27

犬用パズル

スウェーデンの Nina Ottosson のパズル、Dog Fighter と Dog Worker を amazon.com から買った。Fighter は難易度レベル2、Worker は3で、後者は amazon.com で扱うN.O.の単品パズルでは最も難しいとされている。

Dog Fighter
Dog Worker


どちらも溝の一端だけがフランジ付きブロックを抜き出せるよう広くなっていて、そこまでブロックをスライドさせないとブロックが取れず、中の餌にもありつけない。ブロックは配置後に上の穴から餌が入れられるよう、またもとは木製だったが簡単に砕けないよう特殊な樹脂製に改良されている。このブロックの補充用は現在のところ amazon.com では扱っておらず、従って壊されないよう監視し、犬が力づくでブロックを抜き取りにかかったらすぐ制止する必要がある (nina-ottosson.com から買えるが安くない) 。

Worker では中央に軽く回転する円盤があってその切り欠き部を溝に合わせないとブロックが取れない。簡単に円盤と切り欠きの役割が理解できるとは思えないが、犬がブロックを鼻で押したりしてブロックが回転するとそれが円盤に伝わるし、無意識に足で円盤を掻いて回したりもするので、簡単に諦めなければ遅かれ取れるようになる。うちの犬は買って十回以内のチャレンジで十分以内に六ヶ所全部取れるようになってしまった。他に四つの単純な穴にぴったり入る木製ブロックも四個あって、これは咥えてまっすぐ引き上げないと抜けない。

Fighter の方にもフランジ付きブロックの抜き取りを妨げるよう短い棒が二本付いており、これを溝の広い方の端に入れると掻き出すのも咥え出すのも難しい。同様にそこに差し込める木製ブロックも二個付いていて難易度を上げられる。

日本のポンポリースも同様なパズルを売っていて、中にはそれなりに難易度の高いものもあるが、スライド式ブロックは紙を積層圧搾して固めたもので壊されやすい。また色を塗ってあるのも衛生上好ましくない。N.O.の一見木製のパズルも本体は集成材だ。

日本ではこうしたパズルやコングのような餌を仕込めるおもちゃを「知育玩具」と称して売っているが、多分そんな名称で売っているのは日本だけだ。正確に言うなら「注意力拘束玩具」だろう。

隠す餌にはドライフードを使っていたが、脂っ気が多いし粉も出がちなので好ましくない。集成材に臭いが染み付く。こないだゴキブリの幼虫が入っていた。鹿肉五膳・馬肉五膳のシリーズはブロックをセットしたあと穴から入れられるし、脂っ気も粉気も少ないので最近はそれを使っている。バランス上からはドライフードが好ましいが。なお、うちの犬のWorkerのスライドブロック6個解除の最新記録は3分20秒程度。

付記: その後2分を割るようになったので使うのはやめた。

2016/10/19

犬運搬車

さちを自転車の籠に載せた始めは、一歳未満の頃に散歩から帰宅した時なにか手を空ける必要があって、どこにも行かないようにさちを抱き上げ、玄関前に停めてあった母の自転車の後部の大きい籠に載せた時だった。座ってじっとしていたので、案外これで遠くまで連れて行けると思いついた。

そのころの私の自転車は世田谷通り北側のユニークな看板で知られたあの店の二代目に頼んだもので普通のママチャリフレームにプラスティックの大きめの前籠が付いていた。しかし前輪にハブダイナモ、後輪に七速遊星変速ギアで回転抵抗が大きく、坂道を漕がずに降りるときどんな整備不良のママチャリにも追い越されるほどだった。おまけに前後泥除けはステンレス製だったし、サークル錠の閂は鉄板を丸めたやつでなく無垢鉄棒だった。これで退屈な帰り道は自転車に牽かせて楽して帰ろうとする犬を引っ張って用賀七条の坂を登るのは結構骨だったので軽い自転車を新調することにした。


初代さち運搬車、後方は小吉君


またしても乗車帰宅

オアシス動物病院のすぐ近くのサイクリングショップ ツバサに行って「10kgの荷物を前籠に積んで川っ縁の石の多い小道を走れるなるべく軽い自転車が欲しい、泥除けは必須で変速ギアは7速で足りる、予算は6万以上10万以内、もっと出せるけど自転車みたいにあっさり盗まれるものにそんなにカネをかけたくないから」と言ったら自転車旅行用のランドナーというタイプのフレームセットにストレートに近いハンドルをつけたものになった。

ランドナーと日本で呼ばれるタイプは戦後フランスで作られていて、日本で人気が出て国産されるようになったもので、その後日本から米国に輸出されて米国でも生産されるようになった。フランスでは既にそのタイプは廃れて作られておらず、ほぼ日本と米国でしか見られないタイプである。ホイールのサイズには幾種類かあるが、日本では旅先の自転車屋で補充がきくよう 650X38A というママチャリ用のタイヤが使える規格のものが最も多い。

店に在庫していた深谷産業の Davos Touring 603 というモデルで、もとは国産だったが一〜二年前に中国生産になったばかり。店主はこちらの体形を一瞥しただけでフレームもクランクも最適のサイズを選んだと後でわかった。クランクは普通に店においている中で最長のサイズだった。見積りは14万を超えたが、フレームに取り付けるボトルケージと空気入れは要らないと言って11万台におさめた。


新調まもないバイクとさち、野川公園で

その後 Topeak のボトルケージを付け、Brooks の革サドルに変えペダルも数回交換しハンドルを二回交換し、もう一回交換する予定。備品もサドルバッグを大小三個、うち一個は多摩川の兵庫島でさちを追いかけまわしている間に中味の工具類ごと盗まれた。

これで野川沿いに調布市の野川公園や小金井市内まで五〜六回、多摩川沿いには関戸橋までさちを連れて行った。本当はスリングやキャリーバッグに入れて小田急線で丹沢に行ったりしたかったが、そういう袋に入ることは猛烈に嫌がるので無理だった。


キャネルの飼い主さんが陸橋付近で撮ってくれた写真

2016/10/10

原発

素人だから原発を全廃すべきかどうかわからない。

昔、電力会社は予定された廃炉を先延ばしにする一方新規の建設は予定通りに進めてきた。理由はそうした方が儲かるからだ。廃炉は途方もない支出を意味する。

原発は本来夜間に需要が落ち込んだ時の最低線 (ベースライン) 発電量を担当し、水力と火力とで昼間の増加分を受け持つ筈だったが、結果として増え過ぎた原発のため発電量がベースラインを超えてしまったので、水力発電所で翌日用に水を汲み上げるだけでは消費しきれず、夜間の出力調整運転という禁じ手に出なければならなかった。これは自動車が混んできた専用道で右に左にと先行車の追い抜きを繰り返すと同じくらい危険な運転方法だ。

一方で夜間電力の安さを宣伝し、風呂釜や給湯器のような製品の開発を促進した。今の日本の産業用以外の電力の使い方は無駄ばかりだ。24時間保温する風呂だの一年中ホッカホッカの便座だのコンビニだの自販機だの……。広い部屋の天井にある照明は全部点けないと気が済まない連中は若い世代にとても多いし。こういうのを欧米並みに合理化できれば原発は需給だけの話ならなくともなんとかなる。

しかし他の発電方式が何かの壁にぶつかった時のために、将来への技術の継承と発展のために稼働原発を一箇所くらい残しておくべきかもしれないし、もしかすると核武装が必要になるかもしれない*。

腹が立つのは福島第一の大事故当時、世間を落ち着かせるためによく報道された、外国のどこかでは自然放射線がこれだけあるとか、飛行機に乗るとこれだけ放射線を浴びるとかいう話だ。外国のごく一部の地方の話はともかく、飛行機で受ける放射線の話は今まで隠してきたのにしゃあしゃあと持ち出したことだ。核武装を標榜するあるブログでは放射線は身体にいいなどと抜かしやがった。

*:2020年2月刊の伊藤貫著「歴史に残る外交三賢人」を読んで考えが変わった。とっくの昔に必要になっている。

よくわかる原子力 電力のつくり過ぎ