2017/02/23

ブラジルの甘いもの

ブラジル人以外の南米人もそうかもしれないが、彼らは甘いものが好きだ。例えばドセ・デ・レイチ (doce de leite, スペイン語なら dulce de leche) は、牛乳と砂糖を同量ぐらい鍋に入れて煮詰めた柔らかいキャラメル状の食べ物で、すごく甘いが、片手鍋にたっぷり作って数人で食べてしまったりする。お茶受けに小鉢に盛ったマーマレードがスプーンを添えて出たりもする。「日本ではこんなに甘いものは大人はパンやパンケーキに薄く塗って食べるのが普通で、そのまま口にするのは子供ぐらいです」というと驚く。蜂蜜も好き。田舎では巣箱から出した板状の巣を切ってかじり、ワックスの塊を吐き出す。コーヒーは挽いた豆と砂糖を同じ目方だけ使いネルドリップするのが普通だ (もちろん砂糖を入れるのはドリップ後)。

地区ごとに週の決まった曜日に朝市がたつ。終わり頃には売れ残りの野菜はポンポン捨てていかれる。それは拾い集められ貧乏人のための別の市で売られる。そういう市やお祭りには砂糖黍の汁を売る車が来る。皮を剥いた白い長い竿状の砂糖黍の茎を三本上の方で括り、三脚のように立てたものが目印だ。車内に電動搾汁機が積んであり、皮を剥いた砂糖黍の茎を端から突っ込んで絞る。汁はちょっと青臭くて甘い。軽食堂などでは氷を入れレモン汁を加えたりして出される。外気温そのままの汁より青臭みが消えて美味しい。

サンパウロ州では砂糖黍の栽培は昔はあまり行われなかったが、自動車の燃料に使うエタノールを政府が定額で買い上げるようになってから増えた。収穫は機械化されている。畑の中に石油精製プラントみたいな醸造蒸留施設があって風下を通ると酒臭い。自動車用のアルコール燃料はガソリンも入っているし、オクタン価を上げるために添加剤が色々入っており、排ガスは普通の燃料のより臭い。

ブラジルの町に当たり前にあって周囲の国にないものに街頭で売られる豊富なフルーツジュースがある。様々な種類の果物を混ぜ物なしに絞って氷を入れて出される。私にとってブラジルを離れて一番懐かしいのは安い牛肉や本場物のピッツァや本格的なサラミソーセージなんかでなく、このフルーツジュースだ。

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